連載 西村尚子の生命科学探訪⑲
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9月の連休に、とある場所で「固めるハーバリウム」のワークショ
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「シングルセル解析」は、一般にはまだ耳慣れない方が多いものの、ライフサイエンス領域では日増しに存在感を高めている旬の研究分野です。医療への応用に大きな期待がかけられている「シングルセル解析」についてまとめてみました。
多種多様な細胞集団の中から単一の細胞に焦点を当てて解析する技術を「シングルセル解析」と言います。今までは細胞集団は均質と考えられており、細胞集団の平均的なデータしか得ていませんでした(バルク解析)が、シングルセル解析では個々の細胞の変化を解析することを可能にしています。つまりオミックス解析を1細胞レベルで実現しようということです。
オミックス解析については下記を参照:
・メタボロミクス解析の手法と、代謝物からわかること。
個々の細胞には実は不均質性が存在することが明らかになり、従来の細胞集団による解析では謎とされていた領域、例えばガン組織の細胞の特性などを解き明かすきっかけになることが期待されています。
シングルセル解析を応用し、細胞一個一個について明らかにすることが、ガン治療の課題を解決する糸口となる可能性もあるのです。
病気になった際に検査の為、多くの組織切片(細胞)を採取されることは患者にとって苦痛となります。しかし、シングルセル解析では細胞1個から解析可能なので、組織切片(細胞)の採取は少量となり、患者への苦痛が大幅に軽減されます。
また将来は、健康診断の際に細胞1個を採るだけで、様々な分析が出来るようになることも期待されています。そのような分析機器も年々改良が進み、より詳細な解析が行える機器が現在も開発されています。
エー・イー企画オリジナルセミナーにてシングルセル特集が2回行われました。
そのレポート記事が掲載されていますのでぜひご覧ください。
・「Single-Cell(シングル・セル) 2017」セミナーレポート
・「Single-Cell(シングル・セル) 2018 OSAKA」セミナーレポート(要会員登録)
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