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獣医師免許取得のリケジョがレトロウイルスに惹かれた理由 in 第41回日本分子生物学会年会

キャリア・ライフスタイル

第41回日本分子生物学会年会に来場したリケジョのSさん。「ポスドクになる」という決断を下した裏側には、「獣医師免許」という武器を持っているという背景がありました。興味深いキャリアをお持ちのSさんに、Lab’in New編集部がインタビューをさせていただきました。 現在ポスドクのSさんは、この先もできればアカデミアの研究者として進んで行きたいと考えていらっしゃいます。

研究分野について

私のキャリアはちょっと独特なのですが、まず学部の時は北里大学の獣医学専攻でした。獣医師の資格を持っています。その時に配属された研究室の研究が面白くて。もっと続けたいと大学院に進みました。 研究テーマは「内在性レトロウイルス」です。ウイルスって一般的には怖いイメージですよね?でも、レトロウイルスは人や動物の“進化”に関わっているウイルスなんです。 例えば化石を調べて過去の生物の姿を推測できるということは知られていますよね。でも実は、ゲノムを調べて行く中でも進化の過程を見られるんですよ。ウイルスがあってこそ進化してきたということが分かったら面白いですよね。 また、研究室の教授はiPS細胞の研究室も兼任されているのですが、iPS細胞でもレトロウイルスは機能しているといわれているそうです。

キャリアについて

進路はとても迷いました。もともと行きたかったラボには入ることができたのですが、ポスドクになるにあたり、どこの研究室に行くかを再び考えなければいけませんでした。 企業に就職するかどうかを迷う人が多い中、私がすんなりとアカデミックにいられるのには、獣医師免許を持っているということも影響していると思います。研究者一本の方に怒られてしまうかもしれませんが、免許を持っていることでどこか安心でき、挑戦的なテーマにも取り組むことができています。 全国の獣医師は約4万人と少ないですが、動物病院、教育機関、役所など活躍の場は多岐にわたります。獣医師人口が少ないからこそ様々な分野の獣医師とつながりやすく、研究に協力していただきやすい。そのことも、研究を続けていくうえで強みになっていると感じています。

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