就職先は、研究分野を生かせる企業。細胞分化の道を歩み続ける理系男子 in 第41回日本分子生物学会年会
第41回日本分子生物学会年会に来場したSさんは、明治大学大学院の修士2年生。「就職に有利なポジションを目指し、大学院に進学しました」というSさんの「これからのキャリア」について伺ってみました。
Sさんは今年3月に卒業を控えており、すでに民間企業様から内定をもらっているそうです。「発表があるから」と服装はスーツ。お一人で会場を回られていたところ、お声がけさせていただきました。
研究分野について
今は大学院の2年で、今年卒業です。研究分野は「骨分化と亜鉛について」というものです(分化とは細胞の機能が決定づけられ、特徴づけられること)。
僕はとあることがきっかけで、「より早く骨をつくるにはどうしたらいいのか」ということに興味を持ちました。それで、骨の分化に亜鉛がどう作用するのか、しないのか、ということを研究テーマとして掲げました。研究を進める中で、細胞の増殖を見ることができたり、研究の応用も考えたり。
けれど、アカデミックは一旦ここまでにして、卒業後は民間の企業に勤めるといいます。
キャリアについて
もともと理系に進んだときに「大学院まで行こう」と決めていました。せっかく理系に進んだのだから、理系の仕事に就きたいというのが動機でした。理系の職種といえば、“学部よりも院まで進んだ方が、就職した後に有利なポジションに就ける”というイメージがあったので、当時は大学院に進みたかったのだと思います。
僕、もともと生物学に興味があり、医学部に行きたかったんです。それで浪人もしました。学部の時は理工学研究科の応用化学専攻。今とは違う分野を学んでいました。
けれど、研究室に配属する年に、新しく生物学系分野の先生を学校が迎えました。「これは行くしかない」と思いましたね。僕は新しくできた研究生の一期生でもあります。3年目になり、研究室には今12名ほどの学生がいます。先生はとてもいい人で、研究も気持ちよく続けることができ、将来の方向性も決められました。就職先の企業は日用品メーカーで、細胞培養の知識を生かすことができるところです。大学院での経験がしっかり活かせるのかな? と考えています。