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腸内フローラの重要性と、メタゲノム解析についてまとめてみた。

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メタゲノム解析ライフサイエンス腸内フローラ

下腹部にハートを作る女性
前回、「ゲノム編集」の記事で、ゲノムとはDNAによって記憶されている遺伝情報全体であることを述べました。近年、メタゲノム解析が注目を集めており、様々な研究成果をあげています。ここでは、メタゲノム解析でどんな情報が得られるのか?メタゲノム解析と腸内フローラの関係性について説明してみたいと思います。

細菌の特定は難しい?

ヒトの腸内には100種100兆個の細菌が棲んでいると言われています。細菌の種類を特定しようとする場合、細菌を単一に分離・培養し、DNA配列を解析して特定しています。しかし、ほとんどの細菌は一種類に単離し、培養することが現在の技術では出来ません。

メタゲノム解析とは?

そこで、メタゲノム解析が開発されました。メタゲノム解析は数百種類いる細菌集団からあえて1種類に分離・培養せず、その集団のままゲノム解析を行うという手法です。この手法では得られたゲノム/遺伝子情報がどの細菌に由来するかはわかりませんが、その集団にどのような種類の細菌がいるのかという集団体としてのゲノム/遺伝子情報を得ることが出来ます。

メタゲノム解析のメリットとは?

現在の技術では分離・培養することが出来ない未知の細菌であっても、メタゲノム解析を用いれば、その環境中にいるあらゆる細菌のゲノム/遺伝子情報を得ることが可能になります。

腸内フローラとメタゲノム解析の関係性とは?

メタゲノム解析と腸内フローラの関係性を述べる前に、腸内フローラとは何なのか?を説明したいと思います。

腸内フローラとは?

先程、ヒトの腸内には100種100兆個もの細菌が棲んでいると言いましたが、この多種多様な腸内細菌が広がっている様子が、花壇に色々な草花が植わっている花畑(フローラ)に似ていることから腸内フローラと呼ばれています。

腸内フローラの重要性とは?

最近の研究で、腸内細菌、腸内環境というのはあらゆる疾患、例えばガンなどの病気に関係しているということが分かってきています。無菌マウスに肥満マウスの腸内細菌を移植すると無菌マウスが肥満体になったという研究結果があります。腸内環境は生物の体に大きな影響を及ぼしていることを示しています。つまり腸内フローラを解析することで、これらの病気の治療に役立てる可能性があり、その解析にメタゲノム解析という手法が使われています。 メタゲノム解析という新たな手法を用いることで、今まで分からなかった腸内フローラを構成している細菌のゲノム/遺伝子情報を得ることが出来ます。この情報を元に新たな治療法の確立や病気が起こるメカニズムの解析など様々な研究に活用することが期待されています。

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