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AIが変えていく未来と人間・・・③

9月15日放送のNHKスペシャル【人工知能 天使か悪魔か2018 未来がわかる その時あなたは…】の回、ご覧になられましたか?

人工知能の爆発的進化で、未来が正確に予測できるようになり、未来が未知のものでなくなろうとしている、今、どんな社会が到来するのか。AIが活躍する中、最も精度を増しているのが、犯罪予測なんだとか。(昨年2017年7月のブログ【まるで映画の様に、人工知能が世の中を治める時代が…】でも書いていますが…)。

アメリカ各地の警察では、続々AIを導入し、大きく犯罪件数が減少しているとのこと。AIの未来予測は自然界の不確実性をも克服しつつあります。天気予報については、衛星画像を読み取るAIの解析能力が向上し、300メートル四方というピンポイントで、向こう48時間・15分ごとの正確な予測を可能にしています。損害保険会社は暴風雨、竜巻などによる損害を未然に防ぐことができるようになり、保険金支払い額を大きく減らしているんだとか。

そして、なんと、究極の未来予測とも言うべき「人生の予測」までも始まっているそうな・・・。AIは、人間が将来患う認知症、糖尿病などの病気、そして患者の余命までも冷徹に予測するようになっていました。

困ったことに2017年のブログでも触れたように、AIは、予測はしても、その根拠は示さないブラックボックス。今回は、社会のルール、人生のルールを大きく変える新たなAIの未来予測の最前線が番組で取り上げられていました。

今年2018年7月上旬、西日本を襲った豪雨(西日本豪雨)は200人以上の命を奪う大惨事となりました。そんな中、民間気象会社「ウェザーニューズ」のAIが大活躍していました。 西日本豪雨発生の3日前、民間の気象会社「ウェザーニューズ」社はネット上に「歴史的な豪雨となるおそれ」との予報を発表、しかも最も危険なエリア(広島・岡山・愛媛)の情報までピンポイントに発信していました。世界最大の民間気象会社「ウェザーニューズ」社が気象庁より速く情報を出せたのは今年2月に導入したAIのおかげだったのです。

ウェザーニューズ社のAIは従来の気象予測の地道で膨大な計算方法とは違い、過去3年分の雨雲の画像パターンを学習して予測します。予測は現在90%の精度を誇り、250メートル四方のゲリラ豪雨などのピンポイント予測も可能にしているとのこと。ウェザーニューズ社のAI予測システムは鹿児島県姶良市の危機管理課でも採用され、7月2日に接近した台風7号による豪雨に対して、より正確な避難勧告を出し、人的被害を最小に抑えることに成功していました。世界的に自然災害が増えていまる昨今…AIの力はなくてはならないものになりそうです。

臓器移植の世界で最も提供を受けるのが難しい「心臓移植」。アメリカでは臓器ドナー3,000人に対して移植を希望する患者は4,000人に上るそうです。しかも移植が出来たとしてもその後10年生きられる人は2人に1人…限られた心臓を誰に移植するのか…医師にとっても大変難しい選択。

そこで登場したのが「移植優先度」を判定するAI。過去30年の膨大な心臓移植者のデータをAIが解析、心臓移植後10年間の生存率がより高い患者を優先して手術を行います。ブラックボックスに委ねる不安がある一方で、人間であるが故に陥りがちな偏見で判断しないAIが、より理屈に叶った判断をする場合もあります。選ばれれば嬉しいものの、もし選ばれなかったら・・・と思うと、それは奇跡を信じる心さえ奪いかねない・・・。

アメリカで実用化されている犯罪を予測するAI。リンカーン警察が担当する地域では、AIの重点パトロールの活躍で犯罪件数は9%、盗難件数は48%も減少したといいます。良いことばかりではありません。シカゴで導入した「犯罪者の未来予知システム」では、「まだ犯罪を起こしていない人物」を予測するものです。

そのシステムは映画『マイノリティーリポート』を彷彿させるもので凶悪犯のデータをAIが学習、その解析結果を基に、市民に500点までの点数をつけて、将来犯罪に関係しやすい人物をピックアップし、重点的に監視するのだとか。ただし、AIは犯罪に関係する可能性は示しても、「加害者」になるのか「被害者」になるのかを判定しません。

シカゴ市民のロバートさんは友人が殺人事件の被害者になったことからシステムにピックアップされ、そのことが近所に知れ渡って犯罪者ではないのに近所で奇異の目に晒されています…。それでも、シカゴ警察署長は「批判があるのは解っています。しかし毎年800件近い殺人が起きるなか少しでも多くの犯罪を無くすためにAIの予知は続けるつもりだ」と話しました。どう思われますか?こういうの・・・

所詮、アメリカの話…そう感じている貴方…実は、日本でも・・・。御存知かも知れませんが、東京には既に数多くの街頭カメラが設置されています。警視庁や神奈川県警では人工知能の導入を検討、また民間の防犯警備会社「ALSOK」では、高精細の防犯カメラにAIを搭載して犯罪捜査に役立てようと計画しているそうです。街中の人々の行動を細かくチェックし、急に立ち止まってしゃがんだり、キョロキョロする不審者を映像解析して警備員に知らせる機能を取り付けました。更に、スカイツリーやドローンにAIカメラを取り付け街中の人や車の不審な動きを解析する予定だとか…。

名目は犯罪防止と謳われても、それが、その目的以外に使われる可能性は否定できません。そんな題材で作られた映画も数多く存在しています。①の回で触れたように、将来の人工知能はますます精緻になり、私たちの生活にどんどん入り込んで来そうです…。その便利さと有能さ、素晴らしさには有り難い面も多々ありますが、逆に、夢や希望を奪われてしまうのではないかという、言いようのない不安感にも襲われてしまいます。

私たちはこれからどう対処して行けば良いのか。AIが踏み込んで良いエリアにルールは要らないのか?自分の未来を何処まで知りたいか?『貴方には臓器移植する価値がない・・・』そんな風に決めつけられて、奇跡までも否定されてしまったら・・・(つづく…④へ)

※パスワードの保護を解除しました。前回出題の暗号問題回答は、次のブログに掲載しています。

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