A型の血液を「O型」に変える腸内細菌!?

2019-09-02

【A型の血液を「O型」に変える腸内細菌が発見される】そんな記事をヤフーニュースで見たのは、つい先日の事。WIRED(ワールドブックレビュー)で紹介されたものを取りあげていたものですが、まずは、この【WIRED】。どんなものかと言うと、同サイトには、この様に紹介されていました。『1993年、米国でプリントマガジンとして登場し、テクノロジーという窓から社会や文化を切り取り、その「ありうべき未来像」を世に問うている』と。なかなか面白い記事が多数掲載されていました。

さてさて、そんなWIREDが取り上げていた血液型を変えてしまうというお話に戻りますが、輸血療法において適合性が最も高い血液型が「O型」という事は、良く知られているお話。一般的に、異なる種類の血液を輸血すると致死的な免疫反応を起こす可能性があるため、血液の適合は注意深く検査する必要がありますが、血液検査の時間すらない緊急時には、「ユニヴァーサル・ドナー」であるO型の血液を患者に輸血することも多いことから、O型の血液はどうしても不足してしまうそうです。

こうした問題の解決に繋がるかもしれない研究結果が、このほどカナダの研究チームによって発表されたというのです。ブリティッシュコロンビア大学の生化学教授であるスティーブン・ウィザーズらの研究チームが、ヒト腸内細菌叢においてA型の血液をO型に変換できる酵素をもつ細菌を発見したと、「Nature Microbiology」で発表したのです。この知見を応用すれば、誰にでも輸血できる「万能血液」の技術開発が期待できるという物凄いお話なのです。

研究者らは、酵素活性のスクリーニングを可能にするメタゲノム解析と呼ばれる技術を用いて、ヒトの便サンプルから取り出した腸内細菌群集から、糖鎖を分解する酵素をもつ細菌のDNAを抽出。フラヴォニフラクター・プラウティと呼ばれる細菌によって発現する、A抗原を非常に迅速に切断できる2つの酵素を特定しました。

これらの酵素は、２つ同時に働くことで、A型の血液を同じRh型のO型に変換できるとのこと。例えばRhマイナスA型の血液は、RhマイナスO型にすることが可能。1つ目の酵素は、A型抗原を形成する末端の糖鎖を別の化合物（アミン）に変換。２つ目の酵素は、この化合物を取り除いて、抗原のないO型の血液を残しました。ウィザーズらの研究チームは、これらの酵素で変換された血液が患者にとって本当に安全かどうかを確かめるため、実用化に向けた研究を続ける予定とのこと。楽しみな研究ですよね。

ところで、聞き慣れたような聞き慣れないブリティッシュコロンビア大学という大学は、ご存知でしたか？ブリティッシュコロンビア大学はカナダ・ブリティッシュコロンビア州が設置した公立大学で、バンクーバー市西端とオカナガン地方のケロウナに所在する大学。あのアメリカはニューヨーク市に本部を置くコロンビア大学とは別物の様でした。

ちなみにイギリスのグローバル企業Quacquarelli Symonds社（「QS社」）が、毎年９月に発表している世界ランキングでは、第51位。ついでなので、今年の順位を掲載させて頂きますと、以下の様になっています。(※順位国名大学名総合点の順に表示しています。)
1 アメリカマサチューセッツ工科大学 100
2 アメリカスタンフォード大学 98.7
3 アメリカハーバード大学 98.4
4 アメリカカリフォルニア工科大学 97.7
5 イギリスケンブリッジ大学 95.6
6 イギリスオックスフォード大学 95.3
7 イギリスユニバーシティ・カレッジ・ロンドン 94.6
8 イギリスインペリアル・カレッジ・ロンドン 93.7
9 アメリカシカゴ大学 93.5
10 スイススイス連邦工科大学チューリッヒ校 93.3
11 シンガポール南洋理工大学 92.2
12 スイススイス連邦工科大学ローザンヌ校 91.2
13 アメリカプリンストン大学 91
14 アメリカコーネル大学 90.7
15 シンガポールシンガポール国立大学 90.5
16 アメリカイェール大学 90.4
17 アメリカジョンズ・ホプキンス大学 89.8
18 アメリカコロンビア大学 88.9
19 アメリカペンシルベニア大学 88.7
20 オーストラリアオーストラリア国立大学 87.1
28 日本東京大学 84.8
36 日本京都大学 81.5
56 日本東京工業大学 74.8
63 日本大阪大学 72.1
76 日本東北大学 69.0
116 日本名古屋大学 60.7
122 日本北海道大学 59.0
128 日本九州大学 58.2
192 日本慶應義塾大学 48.5
203 日本早稲田大学 47.2