途中で投げ出さず最後まで辛抱すると良い映画2本
今日も私が見た映画をご紹介したいと思いますが、2本とも途中で観るのが嫌になってしまう映画でもあります。…というのは、主役への魅力が感じられないまま後半へと向かっていくからです。…でも、何かを通して主役が成長していく映画が沢山ある様に、この2つの映画も、「置かれる環境の中で、主役となる人物の悪い部分が変化し、魅力が生まれてくる」…そして、映画の伝えたかった事も見えてくるのです。
1つ目は2017年公開の【ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜】と言う実話を基にして作られた映画。物語は、テロ事件が大きく関わっています。
2013年4月、主役のジェフは恋人のエリンがゴールする姿を見届けるため、ボストンマラソンのゴール付近にいました。ジェフは挙動不審な男を見ますが、その後すぐに爆弾が爆発。爆発に巻き込まれたジェフは、両足を失うほどの重傷を負い、意思の疎通にも困難をきたす状況にあったにも拘わらず、必死の思いで犯人の風貌を警察に伝えていきます。
ジェフの証言もあって、4日後にテロ事件の犯人は逮捕され、彼の勇気が全米中で称賛されていきます。ジェフは、テロ直後の地獄絵に苦しむのと同時に、両足を失ったという現実に直面していきますが、母親や周囲の勧めでメディアに出て勇気を与えようと努力していきますが、同時にそれは辛い記憶と向き合うことでもあり心身ともに疲れ果てていきます・・・。
この疲れ果てていく様が、何とも耐え難く私の場合は、途中で観るのを止めようかと思ったのですが、後半に行くと、そうした彼の行いが、数多くの人を救っていたことが知らされていくのです。映画は批評家から絶賛されています。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには125件のレビューがあり、批評家支持率は96%、平均点は10点満点で7.7点となっています。途中で観るのを止めていたら、味わう事の出来ない感動が、その先に待っているのです。
2つ目は1つ目から遡る事20年前の1997年公開作品【セブン・イヤーズ・イン・チベット】というこちらも実話を基にして作られた映画です。物語は、ブラッド・ピット演じるアイガー初登頂で知られるオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーがチベットで過ごした7年間、彼と若きダライ・ラマとの交流を描いたものです。
1939年秋、ハラーは世界最高峰ヒマラヤ山脈への登山に向かいます。ところが時悪く、第二次世界大戦のためにインドでイギリス軍の捕虜となってしまいます。それでも何とか脱獄し、チベットへと行き着くことになります。チベットの首都ラサで生活をしていたハラーは、当時14歳で好奇心旺盛なダライ・ラマ14世と出会い、親しく交流するようになっていきます。ラサでの日々がハラーの荒んだ心に変化をもたらしていきますが、その生活も中国共産党の人民解放軍によるチベット国への軍事侵略によって終わりを告げることに・・・。
この物語も主人公のハラーがダライ・ラマとの交流で生まれ変わっていくまでの、割と長い時間、人間性に魅力が感じられず、1度目は途中で観るのを止めてしまったものです。それから何年かして、たまたま観る機会があって、今度は最後まで辛抱して観られたんですよ。私も我慢強くなったという事でしょうか・・・。
感想は、最後まで観て良かったというものです。そもそも、そうでなければご紹介はしませんよね。中国政府は、映画の中で中国人民解放軍の士官が意図的に無礼で傲慢な人物として描かれ、チベット人に対して虐殺したかのような演出がされたとして強く非難し、本作の上映を中国内では禁止しました。どう観るかは皆さんの受け止め方次第という事で・・・。自分が我慢強く最後まで観抜く自信がある時に、是非どうぞと言う映画でした。
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