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災害で消えた小さな命…かけがえのない家族

先日放送されたNHK・BS1スペシャル「小さな命の絵~ペットと飼い主の震災~」ご覧になられた方はいますか?

2011年3月11日東日本大震災が起きてから8年が過ぎ、テレビでも関連する特集が数多く組まれていましたが、そんな中の一つに、「小さな命の絵~ペットと飼い主の震災~」という番組がありました。

震災で命を失った犬や猫等、家族と同様に暮らしていた動物たちの似顔絵を集めた「災害で消えた小さな命展」という展覧会があります。今もまだ各地で開催され続け、海外でまで開催されるほどの展覧会です。

始めたのは一人の絵本作家【うさ】さん。【うさ】さんの人生を変えた東日本大震災。ボランティアとして現地に向かった【うさ】さんは、ペットを亡くした多くの人たちと出会い、飼い主の気持ちを分かって欲しいと「命展」を始めました。

飼い主たちから依頼を受けて、亡くなった動物たちの似顔絵を無償で描き続けてきた【うさ】さん。亡くなったペットの元気だった姿を描くことで喜んでもらえるのではと活動を始めましたが、やがて、【うさ】さんの活動を知った絵本作家や画家イラストレーター等100人以上が集まり、分担して絵を描くようになっていきました。

震災以来8年間で行われた「命展」は延べ150回以上。あの日消えた小さな命と飼い主の知られざる物語・・・。震災でペットを失った多くの飼い主には、ある共通する思いがありました。それは「口に出せないペットを失った悲しみ」。

しかし多くの人が亡くなる中で、犬や猫を失った悲しみは誰にも言うことができませんでした。肉親も亡くした人は、なおさら…。そんな飼い主の癒えない傷を救ってくれたのが、一枚一枚のペットの似顔絵…。

番組の中で、依頼されてくるお手紙を開封し、中身に目を通すときが一番つらいと言われていたのが印象的でした。とても優しい心の持ち主であることが、よく分かります。描かれてくる絵も、見た目ではなくて、心情を描き出すような…そんな心のこもったものでした・・・

避難所にペットを連れていくと「動物はダメだ」と拒絶された話は何度も聞いていましたが…。最愛のペットを抱きしめたまま津波に飲み込まれていったケースでは、動物は引き上げないというルールから飼い主だけが遺体安置所に…。人間も動物も分け隔てなく暮らしてきた飼い主さんにとっては、訴えられない心の内…。

番組では、また、実話をもとにして描かれた【うさ】さんの絵本「ぼくは海になった」が紹介されていました。Amazon.co.jpによる詳細はこちらになります。

実は、私が伊豆大島で中学校の先生をしていた時、あの三原山大噴火が発生し、全島民の避難という出来事がありました。あの時、もともと避難所としていた小学校が対応できず、急遽避難所に指定された私の中学校は、その受け入れ態勢を整えるのに帰宅する暇もなく対応に追われました。

当時、単身赴任で教員住宅に暮らしていた私には、2羽のセキセイインコの家族がありましたが、何もできずに置き去りにして島外に避難する事になってしまいました。

それから1カ月くらい後だったでしょうか…。まだ帰島の許可が下りない中、島に重要書類を回収しに行く為に各校から1名ずつの代表を選ぶという機会がありました。各校の殆どが教頭先生を送り込む中で、私は共に暮らしていたセキセイインコの事が気になったので、代表として立候補し、自衛隊のヘリに乗って島へ行きました。

書類を回収し、無理をしてセキセイインコのいるアパートに立ち寄りましたが、2羽のセキセイインコは、エサが無くなってしまったエサ入れの中に…折り重なるように亡くなっていました…。あの時の悲しさ、悔しさ、罪の意識は一生消える事はないでしょう・・・。

同番組は、今週3月15日午後6時からも再放送の予定ですので見逃された方は、是非見て頂きたいと思います。

近々起こるのではないかと言われる南海トラフ他、大災害に向けて、家族同様に動物と暮らす人たちは、動物に対する災害対策も、しっかり念頭に入れておきたいものですよね。他人には、所詮ただの動物かも知れませんが、飼い主にとっては、かけがえのない大切な家族なのですから・・・

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