次世代通信規格5Gが「便利さ」と「命」を天秤にかける恐怖
先日Yahoo!ニュースに「ムクドリが大量死!次世代通信規格5Gはベルギーでは導入中止に」という記事が掲載されていました。女性自身に掲載されたものをYahoo!が取りあげていたものですが、鳥好きな私には大変ショックな話でした。
何年か前になりますが、ドイツのオルデンブルク大学の感覚神経学教授ヘンリク・モウリトセン氏は2005年の春に、渡り鳥の脳の研究を開始しています。渡り鳥が地球の磁場に基づいて方向を決めるとき、脳のどの部分を使っているかを調べるというものでした。ところが研究を始めたとたんに、モウリトセン氏を驚かせる出来事が起こったのです。
鳥が本能的に持っているはずの渡りの行動が、めちゃくちゃになっていたのです。モウリトセン氏の研究チームは3年かけて、この一見異常な鳥の行動の真相を突き止めました。しかし、その探求の過程で、驚くべき事実が判明しました。鳴禽類の保護にも、人間の健康にも、重大な関わりを持つ事実…。
微弱な広帯域の電磁波ノイズが、渡りをする鳴禽類が季節ごとに目的地に向かうルートを知るために用いる最重要機能を無力化しうるということ。そして、現在の都市圏には、そのような電磁波ノイズが溢れていることから、渡りをする鳴禽類が減ってきているという心配な事実を説明できるかもしれないと・・・。
この発見は、人間の生活が生み出す微弱電磁場が生物学的プロセスに影響を及ぼすという証拠でもありました。
近年、スマートフォンやタブレットといった携帯端末の普及には目を見張るものがあります。おかけでパソコンによるインターネット検索数を携帯端末による検索数が上回るというニュースも先日流される等、利用者数の拡大のみならず、サービス提供エリアの拡大、通信速度も飛躍的に向上しています。
現在普及している4G LTEにおいては、最大100Mbpsの通信速度で高品質の動画が楽しめるものになっていますが、人間の欲望は、そんなところでは止まりません。国内大手通信事業者は10Gbpsレベルの通信速度を実現する第5世代移動通信システム「5G」のサービス提供を2020年に開始できるよう目指しています。アメリカや韓国では既にサービスを開始。日本でも来年春から本格的な商用サービスが始まる予定なのです。
5Gは、通信速度を高速化させるために、これまでとは異なり、より高い周波数帯のマイクロ波が利用されます。この5Gの魅力は4Gの100倍という通信速度。たとえば2時間程度の映画をスマホにダウンロードする場合、現在、5分程度かかるものが、わずか3秒。また大量のデータを瞬時に必要とする車の自動運転の精度を高めることも期待されています。
メリットばかりが宣伝されており、ついワクワクしてしまう5Gですが、実は大きなデメリットがあります。使用している電波の波長が4Gより短く、電波が短い距離しか届かないため、小型基地アンテナを20~100メートル置きに設置しないと実用化できず、生活空間のいたるところにアンテナが隙間なく設置されることになり、更に多くの電磁波に照射される事になり、人体に与える電磁波の影響も10倍とも言われているのです。
昨年10月、オランダ・ハーグで駅前に設置した5Gのアンテナ塔から実験電波を飛ばしたところ、隣接する公園の木の枝に止まっていたムクドリが次々に墜落し、297羽が突然死しました。鳥を解剖しましたが、伝染病といった疾患は見つからず、5Gのマイクロ波が鳥たちの心臓を止めたのではないかと医療・環境ジャーナリストの船瀬俊介さんが話されています。そう言えば、昨年アメリカの情報サイト「INFO WAR」でも5Gの通信試験で数百匹の鳥が死亡したと報道されていました・・・。
ヤフーニュースには、この他、アメリカ・サクラメントで、近くに5Gの基地局が設置されて以来、複数の消防士が頭痛や不眠に悩むようになったという話も書かれていました。
サクラメントは、5Gサービスを提供する最初の都市となるべく、試験運用を行ってきましたが、アンテナから発せられる非電離放射線が人体に悪影響をもたらす可能性があるといいます。アメリカ国立がん研究所(NCI)によると、少数の研究においては、携帯電話の使用と脳腫瘍リスクとの間には統計的な関連性を示唆する証拠がいくつか示されていますが、他の多くの研究においては関連性が示されていないとしています。
サクラメントの消防士たちは、消防署の外に5Gアンテナ設備が建てられると、頭痛や不眠だけでなく、記憶障害と意識障害を訴えるようになりました。これが5G設備の影響であるとの確信に至ったのは、近くに5G設備のない別の署に勤務地が替わった際、消防士たちの症状がすっかり治まったことからでした。
日本において、このまま5Gアンテナ化が進められ、小型の基地局(アンテナ設備)が数多く設置されれば、人間に有害なレベルの電磁波(非電離放射線)が発せられ、多くの人々に影響が及ぶ恐れもあります。5Gを推し進めるための情報も沢山流されており、国は安心を謳っていますが、日本独自でしっかりと安全確認をして欲しいものです。
ベルギーではもともと電磁波に対して厳しい基準が設けられているそうで、現行のままでは5G導入ができないことから、携帯会社から規制緩和を求められていましたが、環境大臣がその要請を却下し、5G導入が事実上、不可能になったそうです。
船瀬さんはこう話されていました。
「便利になるかもしれないが、健康被害の検証はいまだ不明確。いまのスマホ機能は4Gで十分使える。拙速に5Gに突き進まず、ベルギーのように一度立ち止まってみるべきではないでしょうか」
全く船瀬さんの言う通りだと私も感じました。調べてみると、期待よりも不安の方が大きくなるばかりだったのです。何より、人間だけでなく、もっと繊細な生き物たちの命にまで影響してしまう可能性が大きい事を知ってしまうと、「便利さ」と「命」を天秤にかけるなんて馬鹿げた事をしない為に、時間をかけて十分な調査をして欲しいものです。
※パスワードの保護を解除しました。前回出題の暗号問題回答は、次のブログに掲載しています。
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