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核戦争のない世界を…式典、挨拶より

令和4年8月6日 広島県知事の湯崎英彦さんによる広島市平和記念式典における挨拶全文

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 本日, 被爆77年を迎えるに当たり,原爆犠牲者の御霊みたまに,広島県民を代表して, 謹んで哀悼の誠を捧げます。

 そして,今なお,後遺症で苦しんでおられる被爆者や, 御遺族の皆様に, 心からお見舞いを申し上げます。

 あの時,川土手で,真っ赤に燃え盛る空の下, 中学生らしい黒い人形の様な人達がたくさんころがっていた。「お母さん」。その声もだんだん小さくなり, やがて息絶えていった。
(三好 妙子氏の被爆体験記【国立広島・長崎原爆死没者追悼平和祈念館 平和情報ネットワー ク https://www.global-peace.go.jp/taikenki/index.php】から引用して要約)

 生き延びても,孤児となった子どもは,転々と身を寄せた家に居場所もなく,廊下に風呂敷を置いて着替え場所とし,被爆者の病気はうつるなど, 差別に苦しんだ。
(山田 寿美子氏の被爆体験記【生きる一被爆者の自分史ー 第六集 令和4 (2022)年 P94,98 発行者 原爆被害者相談員の会,被爆者の自分史編集委員会,制作 (株)渓水社)】から引用して要約)

 被爆者が,人生をかけてまで核兵器の廃絶を訴え続けるのは,人間らしく死ぬことも,人間らしく生きることも許さない,この原爆の,核兵器使用の現実を心と体に刻みつけているからです。その思いが原動力となり,今年6月,核兵器禁止条約第1回締約国会議が開催されました。被爆者の切実な思いが,世界をもう一歩前に進めた瞬間でした。

 他方で,東欧では侵略戦争が勃発し, あまつさえその侵略国は, 核兵器の使用も辞さないとあからさまな脅しを世界にかけるばかりか,当事者でない国の人々さえ,身を守るためには核兵器が必要だ,と言い始めています。

 我々の多くが,侵略者の脅しが単なる虚勢ではなく,実際に核兵器が使用される危険として認識したのではないでしょうか。

 つまり, 核兵器は, 現実の, 今そこにある危機なのです。

 ウクライナ侵略で世界が突然変わった訳ではありません。 世界の長い歴史の中で,理不尽で大量の死を招く暴力は,悪により,しかし,時に正義の衣をかぶりながら,連綿と繰り返されてきました。現在の民主国家と言われる国でさえ完全に無縁とは言い難いかもしれません。

 人間の合理性には限界があるという保守的な見方をすれば,この歴史の事実を直視し, これからもこの人間の性さがから逃れられないことを前提としなければなりません。

 しかしながら,力には力で対抗するしかない,という現実主義者は,なぜか核兵器について,肝心なところは,指導者は合理的な判断のもと「使わないだろう」というフィクションたる抑止論に依拠しています。本当は, 核兵器が存在する限り, 人類を滅亡させる力を使ってしまう指導者が出てきかねないという現実を直視すべきです。

 今後,再度,誰かがこの人間の逃れられない性さがに根差す行動を取ろうとするとき,人類全体,さらには地球全体を破滅へと追いやる手段を手放しておくことこそが, 現実を直視した上で求められる知恵と行動ではないでしょうか。

 実際,ウクライナはいわばこの核抑止論の犠牲者です。今後繰り返されうる対立の中で, 核抑止そのものが破られる前に手を打たなければなりません。

 地球温暖化は200年, パンデミックは2年超かけて, 人類の持続可能性に疑義を突き付けました。核兵器は,誰かがボタンを押せば,人類の持続可能性は30分かもしれません。

 核兵器廃絶は, 人類の持続可能性のために最も喫緊の課題であることを認識し, 最後の核弾頭が解体・破壊され, この地球上から核兵器が完全になくなるまで休むことなく全力を尽くすことを改めてここに誓い, 平和へのメッセー ジといたします。

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核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する初の国際法規である核兵器禁止条約に参加しないばかりか、多くの犠牲者を出している旧統一教会とズフズブの政府自民党。私も元総理の安倍さんの亡くなり方は残念に思うけれど、国民からの税金を使う国葬ではなく、自民党主催で、あとは賛同者を募る形にしてもらいたいと思っているけれど…これもまた、いつもの様に変わることなく実施されてしまうのでしょう。選挙で野党が勝たなければならないけれど、その選挙にまで旧統一教会が絡んでいるとなると、複雑な思いでいっぱいです。

とりあえず、まだ広島の平和記念公園に行かれた事のない方は、是非、一日も早く行かれる事をお薦めします。重たい展示が多くありますが、目を背けてはならない現実が、そこにあるからです。

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