先日、『君の名は。』の新海誠監督作品『言の葉の庭』と『星を追う子ども』を観ました。アニメだけど子供向けではなく、ある程度の悲しみとか苦しみとか、そんなものが心の中を多く通過している人の方が、より受けとるものが多いアニメなんだと…そんな印象を改めて持ちました。『言の葉の庭』は特にお薦めの大人向けの映画でした。そんな『言の葉の庭』は、こんな感じです・・・。

靴職人を目指す高校生のタカオは、雨の日の1限は授業をサボって、庭園で靴のデザインを考えていました。ある日、タカオはそこで昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノに出会います。どこかで会ったかとタカオが尋ねると、ユキノは否定し、万葉集の短歌 「雷神（なるかみ）の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 を言い残して去っていきます。こんな出だし…なかなか面白いですよね。

こうして、雨の日の午前だけの2人の交流がはじまっていきます。タカオは靴職人になる夢を語り、味覚障害を患うユキノは、タカオの作る弁当の料理に味を感じられるようになっていきます。ある日、ユキノはタカオに「靴作りの本」をプレゼントし、タカオは今作っている靴をユキノのために作ることにします。

その後、梅雨が明け、しばらくの間2人は逢わなくなりますが、2学期になったある日、タカオは学校でユキノとすれ違い、ユキノが古文の教師だったこと、生徒の嫌がらせによって退職に追い込まれたことを知ります。そして首謀者で3年生の女生徒・相沢に会いに行くが、からかわれたタカオは相沢の頬を叩き、その取り巻きの男子生徒に返り討ちにされてしまいます。

その後、久しぶりに庭園であった2人は、急な土砂降りに遭って、ユキノのマンションへ行きます。ユキノは濡れた服を乾かしながら、タカオは2人分の料理を作りながら、二重唱の様に『今まで生きてきて１番幸せかも知れない』と心の中で言葉を奏でます。2人とも今が一番幸せだと感じるのです。

靴がなくても一人で歩ける練習をしてきた…そんなユキノへの好意を口に出したタカオに、ユキノは田舎に帰ると跳ね返すように告げてしまいます。振られたと思ったタカオは、万葉集の返し歌 「雷神（なるかみ）の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」 を口にして出ていきます。居なくなった部屋でユキノは泣き崩れ、自分の気持ちを抑えられずに雨の中を走ってタカオを追いかけます。追いかけてきたユキノに「本当は嫌いだった」と切り出し、嵐の様に言葉を投げつけるタカオ・・・。泣き崩れて抱きあう2人・・・。

あぁ、こんな恋…良いですねぇ。ずっと支えあっていけそう。そのまま、エンディングが流れ・・・、大切なラストシーンが流れはじめていきます…『歩く練習をしていたのは…』と…。言葉の積み重ねが綺麗な脚本…新海監督の作品なかなか深いですね。映画のタイトルに相応しい映画だった気がします。

エンディングを見終わらずにやめてしまう人は、残念ながら、大切なところを見落としてしまったんだと思いますが、エンディングの後にも続きの展開がある事を知っておいてもらえたらと思います。この『言の葉の庭』の本当のラストシーンが気になる方、ご自身で観て頂けたらと思います。ここまでネタ晴らししておきながらという所ですが、このラストシーンでタカオが紡ぐセリフもなかなか良いものでしたよ。

さて前回ブログのアドバシュ暗号ですが、5/20のブログで出題され、5/29のブログで解答が出されていた【アドバシュ暗号】。この時の換字表で答えをご確認いただければ良いのですが、それを使うとzfgfnm ➡autumnとなり、これが前回ブログの暗号解読問題…パスワードとなりますます。

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