日本では昔から、様々な動物の行動が地震に関連づけられています。よく言われるのが、地震を引き起こす巨大なナマズ【大鯰】（おおなまず）。ナマズにまつわる伝承は、地震の直前にナマズが普段と違う行動をとることに基づいているとされていますが、ナマズ以外にも、日本では一部の魚類が災害の前兆を示す存在と考えられてきました。

その一例とされるのが、最近ニュースで取り上げられている【リュウグウノツカイ】。水深200～1000メートルの深海に生息するリュウグウノツカイは、全長4メートルほどに成長する巨大な魚で、地震や津波が差し迫っていることを人々に教えるために、竜王が差し向けると考えられてきたようです。

2011年の東日本大震災の1年前にも十数匹のリュウグウノツカイが見つかり、地震との関連を疑う記事が多数書かれましたが、この魚の行動と地震活動の間の科学的な関連性は、現在のところ確認されていないとのこと。

『いよいよ、南海トラフ巨大地震が起きる可能性が高まっているのではないか？』…そんな話が何かある度に浮上してきますが、南海トラフは、「フィリピン海プレート」と「ユーラシアプレート」が接する海溝…ちょうど駿河湾（静岡県）から日向灘沖（宮崎県）にかけて存在しますが、実はここのところ、フィリピン海プレートが大きく動いているのです。

昨年12月29日にはフィリピン南部ミンダナオ島沖でＭ7.0、1月7日にはインドネシア付近・モルッカ海でＭ6.6の地震が起きており、活発になっていることが良く分かります。また、南海トラフ自体も動き始めているらしく、今年になって頻度も加速し、1月8日の種子島近海の地震は南海トラフの端が動いたものですが、Ｍ6.4と規模も大きいものでした。

また、1月3日に直下型の熊本地震（震度６弱＝Ｍ5.0）が起きていますが、南海トラフ地震のようなプレート境界型の巨大地震が起こる前には、直下型地震が頻発するケースが見られるとのこと。プレートの動きが活発になると日本列島上の断層を刺激し、直下型が起こりやすくなるという訳です。

私にとっては、もっと気になるのが、南海トラフ周辺で起きているスロースリップ。2月14日に愛知県で発生したスロースリップは、その震源域が伊勢湾の周囲に広がっており、「スロースリップの移動現象」が、巨大地震の発生を切迫させるとも言われているだけに緊張感は高まるばかりです。

南海トラフの最も西端に位置するのが日向灘。日向灘は過去にも大地震が繰り返し発生していますが、こちらでも、昨年12月M4級の地震が頻発していました。日向灘で地震が起きると、南海トラフ巨大地震を誘発するという説もあり、これも嫌な現象です。

そして、冒頭でお伝えした、【リュウグウノツカイ】。今年1月だけで、十数匹も富山湾を始め全国各地で揚がっているという話。単純に見つかった話だけなら、どうという事もないのですが、その他の気になる現象も含めてしまうと科学的な裏付けがないにしても、可能性を100％否定することもできないではありませんか…。

一応、地震調査研究推進本部の作成した「確率論的地震動予測地図」をご紹介させて頂きます。

「確率論的地震動予測地図」とは、日本及びその周辺で起こりうる全ての地震に対して、その発生場所、発生可能性、規模を確率論的手法によって評価し、更に、それらの地震が発生したときに生じる地震動の強さをバラツキも含めて評価することで、一定期間内に、ある地点が、ある大きさ以上の揺れに見舞われる確率を計算することで作成されています。地点ごとに地震ハザード評価を実施し、地震動の強さ・期間・確率のうち２つを固定して残る1つの値を求めた上で、それらの値の分布を示したものが「確率論的地震動予測地図」という訳です。

ついでなので、緊急時に備えて【災害用伝言ダイヤル（171）】、【災害用伝言板（web171）】もご紹介しておきます。【災害用伝言ダイヤル（171）】はご存知の方も多いと思いますが、【災害用伝言板（web171）】は私もつい先日知ったばかりなので、こちらのご紹介を。なんとなく分かるかも知れませんが、【災害用伝言板（web171）】は、インターネットを利用して被災地の方の安否確認を行う伝言板です。事前に登録すると「メール」や「電話」で伝言を届けてもらえます。登録はこちらからできます。

https://www.web171.jp/web171app/topRedirect.do;jsessionid=7E13B16AF2C0B4D283A769D401A489DD.ajp13w4

いつ起きてもおかしくない状況といすうのは何となく理解するようになってきましたが、その備えは、殆どできていません。保存食や緊急時の荷物、連絡手段や避難経路など、きちんとしておきたいですね。他人ごとではありませんよ!!

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