左手のピアニスト & クアドラティックボーティング
ご無沙汰しております。本当に・・・で、さっそく本題・・・本日は2つ
BS1スペシャル「私は左手のピアニスト~希望の響き 世界初のコンクール~」を見ました。
2018年11月、ピアノの歴史300年史上初となる「左手のピアニスト」の為のコンクールとして開催された国際コンクールを取材したものです。何故「片手のピアニスト」でも「右手のピアニスト」でもない「左手のピアニスト」なのか・・・最初に思ったのは、そんな事でしたが、どうやらピアノに深く携わるが故に発症してしまう「局所性ジストニア」という病気が主な原因のようでした。
熱心にピアノを弾き続ける事で、左脳の影響なのか、右手の指が思うように動かなくなってしまうというのです。なんとピアニストの50人に1人が発症してしまうという難病で、今のところ、これと言った治療法がなく、ピアノが好きすぎるが故にピアノが弾けなくなってしまうという悲しい病気です。
番組では、ブラームスが左手のピアニストを励ますために最初に描いた楽曲にも触れ、そうして「左手のピアニスト」の為に数多くの楽曲が作られてきた事。そうした楽曲のおかげで、絶望の淵から救われていくピアニストたちの姿が描かれていました。
番組の最後の方では、タイからの参加されていた左手のピアニストが演奏後に、ホーキング博士の言葉を引用して、こんな話をされたのが印象的でした。
「生きてさえいれば、そこにはまだ希望がある。たとえ体に障害があろうと、思わぬことが起ころうと、闘って生きていかなければなりません」
こんなコロナ禍の厳しい状況とも重なって、とても心に沁みる言葉でした。
話はズレてしまいますが、同じNHKのBS1「ズームバック×オチアイ 特別編 ~落合陽一、オードリー・タンに会う~」という番組で、面白い話が聞けました。
ご存知の人も多いと思いますが、タンさんは台湾のIT担当大臣で、トラスジェンダーであり、38歳という若さで閣僚入りした人物です。台湾はITを駆使して世界で最もコロナ対応に成功した国のひとつで、それに大きく貢献したのがタンさんです。番組を見終えた私は、その後、本屋さんでタンさんの「自由への手紙」という本を買ってしまいました。それほど衝撃を受けたという事です。
番組の中で面白かったのは【クアドラティックボーティング】という投票システムのお話。民主主義では是非導入して欲しいと思ってしまったシステムです。この投票システムはラディカルマーケットという本で提案された方法で、特徴的なのは一人1票ではないという点。1票は1×1の1ポイント。2票投じるには2×2の4ポイント。1つの案や候補者に対して、2乗ずつしか投じられない仕組みです。
100ポイント配布したのでは面白さが伝わってこないのですが、タンさんの場合、全員に99ポイントくばり、票と交換してもらうという方法です。最大9×9の81ポイント使っても18ポイント余ってしまうので、1候補に全てを投じることができず、必ず分散投票することになるというのです。自分の支持度に応じて投じることになり、自分で指示度を決めるため、真剣に投票に参加できるようになるし、より民意を反映できるものになっています。そうやって政治の独裁化や民主主義の陳腐化を防ぎ、支持者以外の政策や意見に触れるよう促せるシステムなのです。
こんな投票システムがアメリカの大統領選に導入されたら、トランプは、どうしたんでしょうねぇ・・・
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