ブラック企業を扱った70万部突破の感動小説
北川恵海さんの作品で70万部突破のベストセラー小説が映画化されたもの…【ちょっと今から仕事やめてくる】という作品を先日観ました。第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>を本作で受賞し、デビューされた作者ですが、あきれるほど?のインドア派なのに、趣味は旅行という矛盾を抱えているそうですが、作品タイトルからすると、少しコメディータッチの展開なのかなぁと思っていたら、全く違うものでした。
『全ての”働く人”が共感して泣いた。』そんな風にホームページを飾る言葉が表すように、最後には涙と笑顔で観終われる素晴らしい作品となっていました。ユニークなタイトルと、今の時代に即した重いテーマ「長時間労働」「パワハラ」「自殺」などを扱い、すべての“働く人”の共感を得た本作品。作品の始まりは、こんな感じです・・・
就職活動で何とか入った企業は激しいパワハラが日常のように行われているブラック企業。就職するのに苦労してしまった主人公は、”転職”というキーワードがイメージできず、こき使われていく中で心身共に衰弱していきます。
ある日、帰宅途中の電車のホームで、無意識に線路に飛び込んで命を絶とうとしたところを「山本」と名乗る男に助けられます。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう主人公ですが、本物の同級生は海外滞在中ということが分かり、何故赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった主人公は、彼の名前で個人情報をネット検索し、同姓同名で、三年前に激務で鬱になって自殺した男と瓜二つであることを知ります。
謎の男・山本を演じるのは、初の大阪弁での演技が、ちょっと違和感もあった人気俳優の福士蒼汰さん。ブラック企業で働くサラリーマン・青山隆役には、はまり役の工藤阿須加さん。その他、主役の憧れの先輩社員に黒木華さん、主役を追い詰めるパワハラ上司が似合う吉田鋼太郎さん、といった実力派俳優が勢揃い。監督は『八日目の蟬』『ソロモンの偽証』の成島出さん。さらに、号泣必至のエンディングに流れる主題歌「心」をコブクロが担当しています。この「心」は既に知っていましたが、この映画の主題歌だったんですね。
映画前半の殆どはパワハラのシーンが続くので、エンディングを信じられないで観ていると、正直、観るのが辛くなるほど、聞くに堪えない酷いシーンが続きます。横で見ていた家内なんぞは、なんか暗いから嫌になる…と漏らすほど…。そこで大事になってくるのがタイトルの【ちょっと今から仕事やめてくる】。途中で観るのを止めてしまったら、パワハラがそのまま放置されてしまう訳ですから、主役の「ちょっと今から仕事やめてくる」というセリフが、どういう流れで発生していくのかを見届けなくては・・・。
やがて、謎の男・山本の真実が明かされていくと、赤の他人だった二人が、改めて友としての関係に変わっていき、更には人生を変える存在にまでなっていきます。大切な人の存在まで見失ってしまう現実・・・大切な人を思う周囲の心の内・・・【ありがとう】という心の底から湧き出てくる言葉・・・
私は、会社で求人募集する際に面接を担当していますが、面接の中で、未だに数多くの【ブラック企業】が存在する事を知らされます。小説の中の作り事なんかではないのです。就職する側に関しても、いくつかの会社に拒絶されると、まるで自分自身がダメな人間の様に受け止めてしまって、ポジティブに考えられなくなるのも事実です。就職は、タイミングと相性も、かなりの部分を占めています。不採用でダメだったとしても、自分がダメなのではない事を、これから就活する人たちには覚えておいて欲しいです。
それにしてもラストに流れるコブクロの唄『心』…名曲ですよねぇ。作品の中では、『山本』の発する、大切な言葉が数多く散りばめられています。これから行き詰った時、こんな作品に触れてみるのも良いかも知れませんね。ただし、途中で投げ出さずに、最後まで鑑賞・完走することが大切ですからね。
さてさて、前回ブログの暗号解読ですが、字変四八の奥義【上杉謙信の暗号】ということで『六七六壱弐六七四』は『しあわせ』。得られた4文字の『しあわせ』を9文字の英単語に置き換えると『happiness』・・・これが入力するパスワードになります。解読表を書き出している方なら、簡単な問題でしたよね。
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