アインシュタイン深掘りの巻…⑧異なる思考と第4脳回
アインシュタインは,1955年,米国プリンストン病院において、腹部大動脈破裂が原因で死去し,76年の生涯を閉じます。ハーベイを核として、研究と論文発表を条件に脳の切片を提供された研究者達…。その中には日本人も含まれており、標本は日本にも存在し、一部は新潟大学脳研究所に保管されているそうです。
今回の番組では、切断の過程を捉えた300枚を超える未公開の脳の静止画像をもとにアインシュタインの脳を3次元CGで再現しています。静止画像から再現していく事は大変な労力です。溝の位置、膨らみの形状を一つ一つ忠実に掘り起こしていきます。それを別の角度からの 複数の画像と見比べ正しく再現されているかもチェックしていきます。制作期間4か月。360度、あらゆる角度から脳の形状を復元し、アインシュタインの脳の立体モデルが完成されていきます。
アインシュタインの脳は、その形状から大きな特徴が見て取れる事が分かりました。その特徴の一つが頭頂葉。頭頂葉は、視覚や聴覚などの感覚情報を統合する領域で言語や数学的処理にも関わるとされています。左右を比べると上頭頂小葉は右脳の方が大きく、下頭頂小葉は左脳の方が大きい事が分かります。左右でこれほど形状が違う頭頂葉は極めて希で、アインシュタインは普通の人とは異なる感覚で思考をしていた可能性があるというのです。
携わったフォーク教授が特に際立っていると指摘するのが前頭葉。未来の計画を立てたり、物事を推論したりするなど、最も高度な知的作業をつかさどる領域だそうです。一般の人の前頭葉は、脳回と呼ばれるシワが隆起した部分が3つですが、アインシュタインの前頭葉は、なんと通常では見られない第4の脳回が存在する事が分かったのです。脳が発達し、体積が増えるとその分だけ脳は複雑に畳み込まれシワが増えていく事になります。つまり、アインシュタインの脳は脳回の数を増やすほど発達していたと考えられるのです。
もし失われた脳の実物を集める事ができれば、脳の形状だけでなく内部の詳しい解析が可能になるとフォーク教授は語ります。最先端の脳科学や生理学を駆使して細胞レベルの構造やネットワークを明らかにし、天才のメカニズムに迫る事ができると、NHKの取り組みに期待を寄せたのです。
取材を始めて3か月。行方知れずになっていたアインシュタインの脳に関して大きな進展がありました。ハーベイから脳の大半を引き継いだという、前回ブログの最後で触れたあの医師が撮影に応じると言ってきたのです。ホテルの会議室を指定され、スタッフは、そこで待つ事になります。約束の時刻、医師は自らを「X」と名乗り匿名での取材を条件としてきました。アインシュタインの脳の所有者である事を知られ、その事で盗難や騒動に巻き込まれるのを避けるためだと…。そんなX医師が慎重に運んできた段ボール箱の中には・・・。
X医師がハーベイから脳を託されたのは2000年頃。当時ハーベイは80代後半。脳の管理に不安を抱き相談してきた事がきっかけで、アインシュタインの遺族が脳の所有権を認めた文書と共に引き継ぐ事になったそうです。箱の中には、アインシュタインの脳が大量に納められていました。
初めてカメラの前に姿を現したハーベイから託された脳のブロック・・・全部でいくつあるのか。ブロックの大きさは3㎝から5㎝ほど。それは、形が崩れないよう特殊な樹脂でコーティングされていました。どの場所のブロックかロードマップと照らし合わせ、1つずつ確認していきます。
X医師の手元にあったのは合計で127ブロック。大脳や小脳、脳幹など脳の全域に及んでいました。しかし、240のブロックのうち半数近くは、そこにありませんでした。 特に不完全な状態となっていたのは前頭葉、そして、頭頂葉など…天才性に関わる特徴的な領域が失われていたのです。
研究に行き詰まったハーベイは世界中の科学者たちに脳の他の部分を託し・・・そのまま行方が分からなくなったというのです。これ以上の散逸を防ぎたいというX医師。消えた脳を取り戻し1か所で管理する事が必要だと考えていました。このままでは今後科学が進展しても知性の謎に迫る研究ができないと懸念しているからです。ハーベイが脳を託したとされる世界各地の科学者達。遺品の中には、その手がかりとなる名前が残されていました・・・。
連続物もここまで続くとは書いている私も考えておりませんでしたが、第9回姉妹サイトへ続く事になります。次回ブログ暗号問題ですが、忘れた頃のアトバシュ暗号でいきたいと思います。・・・って言うか、暗号の種類を言ってしまったら簡単すぎるので、そろそろ例題から推測するパターンにしていきたいとは思っているのですが・・・
問題・・・アトバシュ暗号・・・yizrm・・・これを正しいスペルに直してお答えください。
(ちなみに、この問題は第10回のパスワードになります。10回・・・突入するのでしょうか・・・)
こちら姉妹サイトも宜しくお願いします。