アインシュタイン深掘りの巻…④量子力学、原爆
話によると物理の世界では、相対性理論と量子力学が双璧を成しています。アインシュタインは、奇跡の年に、光の正体にせまる光量子理論を発表するなど、量子力学の分野でも先駆者でした。ところが、その後、アインシュタインは量子力学に疑念を抱くようになります。
特に問題としたのは、量子の世界では物事が不確定で確率的に決まる曖昧さでした。自然界は、美しい数式で成り立っていると信じるアインシュタインはその曖昧さを嫌いました。
「量子力学は大したものだ。 だが、私の心の声はまだ本物ではないと告げている。神はサイコロを振らない。」
アインシュタインは、量子力学の理論の不十分な点を指摘しては、研究者たちに論争を挑みます。しかし、これは、結果的に量子力学の発展に寄与することになります。当時、最新の理論を認めようとしないアインシュタインの頑固さに対し、仲間の研究者から「恥ずかしく思う」と言われたことも・・・。
しかし、アインシュタインは、自分が正しいという自信を持っていました。過去に、他人が間違っている経験をしてきたので、いずれ時が証明してくれると信じていました。そして、アインシュタインは、宇宙という広大な世界を扱う相対性理論と、ミクロの世界を追求する量子力学を含む新しい理論を構築しようとします。それが統一理論です。
「正しい方向に進んでいるのかさえよくわかりません。今の時代の人たちからすれば、私は異端であり、時代遅れの反動派なのです。」
アインシュタインは、亡くなるまで30年以上、統一理論に挑み続けます。しかし、それが完成することはありませんでした。
第2次世界大戦が勃発する直前、アインシュタインはアメリカ大統領に、原子爆弾の開発を進言します。アインシュタインが原子爆弾を作ったと誤解している人もいるかもしれませんが、彼はもともと熱烈な平和主義者でした。では、なぜ原爆の開発を進言したのでしょうか?
アインシュタインが35歳の時に第1次世界大戦が勃発。この戦争で、戦車や戦闘機、毒ガスが登場。科学技術の進歩が戦争の道具とされたことにアインシュタインは衝撃を受けます。そして、子供のころからの軍国主義の反発から平和運動に力を入れるようになります。
「憎しみや破壊という気持ちが無くなるよう、人類を精神的に成長させることはできないか」
1930年、51歳の時にアメリカで演説。・・・「2パーセント宣言」です。訴えたのは、兵役拒否でした。
「戦争に動員される人のうち、たった2パーセントが兵役を拒否すれば、政府は力を失うだろう。とてもそれだけの人数を、刑務所に入れようとは思わないだろうから。」
2パーセントが兵役拒否をすれば、政府は戦争の遂行を諦めざるを得ない・・・と言うのです。しかし、アインシュタインは、兵役拒否を貫き通すことはできませんでした。
1933年、アインシュタインがアメリカに滞在している53歳の時に、ヒトラーがドイツ首相に。ユダヤ人の迫害が始まりました。ユダヤ人だったアインシュタインの財産は没収され、書いた本はすべて燃やされてしまいました。そして、自分の首に5,000ドルの懸賞金がかかっているとの噂も・・・。
「この首に、そんなに価値があるなんて、知らなかったよ。」
止む無く、アインシュタインはアメリカに亡命。祖国の土を踏むことはありませんでした。
そして、今まで持っていた兵役拒否という考えを捨てることに・・・。
「いま、我々が直面しているのは、全く異なる事態です。ドイツは明らかに戦争を引き起こそうとしています。この現実から、目を背けることなどできません。」
1939年、60歳の時・・・アインシュタインは、ある知らせに驚愕します。かつて自らが見出した数式・・・E = mc2 ・・・この数式は、僅かな質量で、膨大なエネルギーを生み出す可能性を示唆していました。アインシュタインは現実的には不可能だと考えていましたが、ドイツの科学者が、この数式にのっとりウランに中性子をぶつけることで核分裂に成功したというのです。
ドイツが原爆を開発するという現実・・・。アインシュタインは、仲間の勧めでアメリカ大統領に手紙を書きます。それが、原爆の開発を進言するものでした。
「緊急の行動が必要な状況です。きわめて強力な新型爆弾が製造される可能性があります。」
この手紙を機に、原爆を開発する「マンハッタン計画」が始まりました。しかし、アインシュタインが直接関わることはありませんでした。政府は、亡命者であるアインシュタインに、国防的な機密を知られることを知られたくなかったのです。(つづく・・・再び姉妹サイトへ・・・)
さて、前回ブログの暗号問題の回答です。シーザーの換字表(カエサルの換字表)で特定の文字数…今回は10文字シフトで【dkmdsmc】を元に戻していくために換字表で確認していきます。
dkmdsmcつまり相応する文字tacticsが答えとなります。
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