すずらん
『すずらん』
外には雨が降っている
目に映るものは
なぜか別世界のもののよう
耳に響くものは
なぜか私の中に入ってはこない
『時が止まっている』・・・
外には雨が降っている
身近ではしゃぐ子供が
なぜか遠くに見えている
はずむような笑い声も
なぜか心に突き刺さる
『私の心が止まっている』・・・
はりつめて
凍りついて
たたかれれば砕け散ってしまいそうな
そんな もろい世界
外には雨が降っている
曇った窓の外は
鳥さえ飛ばぬ 静かな景色
窓ぎわには
小さく可憐なすずらんの花
『かすかな息吹を この花にたくして』・・・
詩集『道しるべ』より
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